「いきなりですが、まず“かみんぐあうと”的な話をしてもよろしいですか?」
「は?」
なぜかポッと頬を赤らめ恥じらい顔になった拓斗に、オーレリアンは首を傾げる。
「まあ…別に、どうぞ」
「それは良かった。実は自分、いえ、桔梗丸は陰間として働いていた過去がありまして」
「かげま…?」
「はい。殿方のお相手をする男娼のことです。ちなみに桔梗丸は源氏名です」
「なっ!?」
「あ、やはり驚かれましたか。昔からこの通り、顔だけは綺麗だったもので。しかしご安心を。あくまで陰間は仕事。自分が同性愛者というわけではありません」
ニコニコと笑顔で言い切った拓斗。
オーレリアンはちょっとドキッとしたが心を落ち着かせた。
「なんで、男娼なんか…。鬼狩りのプロじゃなかったの?」
「陰間になったのは生きるためです。親兄弟が亡くなって、食いぶちを稼ぐのに毎日必死でしたから。当時の陰間と言えば歌舞伎役者になりたくて修行中の少年達がほとんどでしたが、自分のような境遇の人間もちらほらいましたね」
「独り…だったのか?」
「はい…。家族は全員、殺されました。血を貪る鬼に」
「っ!?」
目を見開くオーレリアンのことを拓斗は悲しげに微笑し、見つめる。
「刀を持ったのは丁度、十五の時でした。たまたまお相手をした旦那様が鬼狩りのお頭だったのです…」
相手が何者か知った時、桔梗丸は必死に頼んだ。
自分を仲間にしてくれと。



