サラリと言ってのける拓斗。
そんな彼を見つめてルカはビックリだ。
「え、江戸時代……」
「何驚いてるんだよ。僕らの父様の方がもっと古い時代の生まれだぞ」
オーレリアンが指摘する傍で会話は続く。
白魔が嘲るように笑った。
「ハッ、わかってないね。元同胞殺しなんて信用できないって言ってるのさ」
「……昔の話です。どうかお通し下さい。患者が待っています」
「そうだよ白魔!せっかく医者が来たんだから小鳥を診てもらわなきゃ!」
ルカに言われ、舌打ちをする白魔。
「母上を治せなかったこんな奴に…!」
「貴方のお母上は心の病でした。それは薬を飲めば治るような単純なものではありません。けれど小鳥さんは違います。手遅れになる前に診察を受ければ――」
「ああもうっ!正論ばっかりうるさいな!わかってる!わかってるよ!イライラして誰かに八つ当たりたい気分なだけさ!!」
苦しんでいる小鳥を見て何もできない自分に苛立ちを覚えている白魔は悔しげに自室へと歩いて行ってしまった。
「白魔がすみません。小鳥ちゃんをお願いします、先生」
頭を下げる静理に優しく微笑むと、拓斗は部屋へ入っていった。



