「オーレリアンが医者連れてきた!?マジで拉致ったのかよ!?」
拓斗と一緒に帰って来た末っ子を見て、ルカが廊下で大声を上げる。
「おや、自分は拉致られたことになるのでしょうか?」
のほほんとした雰囲気でクスリと上品に笑う拓斗。
オーレリアンは緊張感のない空気に溜息をついてからルカに尋ねた。
「ルカ、あいつはどこ?」
「小鳥なら自分の部屋にいるよ。寝てる」
「小鳥さんとは患者の名前ですね?案内していただけますか?」
頷いてルカが先頭を歩く。
少しして小鳥の部屋の前に到着した時、中から静理と白魔が出て来た。
「あ、桔梗丸(ききょうまる)じゃん」
拓斗を目にした白魔が驚いた顔で彼の名前を呼ぶ。
「お久しぶりです、白魔坊ちゃま。ところで、今の自分は拓斗です。今様に改名しましたので昔の名はお忘れ下さい」
「それ言うならさ、君も坊ちゃまって呼ぶのやめてくれない?不愉快」
ギロリと白魔に睨まれるも、拓斗はニコニコと笑みを崩さない。
それがカンに障ったのか、白魔は小鳥の部屋の扉を守るようにして立つと更に嫌みを放った。
「というか、君なんかに僕のプリマドンナを任せて本当に大丈夫なわけ?君の脳内、江戸時代で止まってるんでしょ?」
「そのことならご安心を。ちゃんと西洋医学も勉強しましたから」



