『うわ~!ツンドラの君が俺にかけてくるとか、明日は雨?』
電話に出たアルトが開口一番ジョークを放つ。
「地下に雨が降るか!おいアルト、お前の家族に瀬女拓斗って言う奴いるか?人間居住区で医者やってる…」
『へ?いるけど?てか俺のパパンだよ。瀬女拓斗は』
当たりだった。
オーレリアンの心臓がドクンと高鳴る。
「パパンて、父親か!?なら頼めるか?小鳥が熱で苦しんでるんだ。今日、病院が休みなのは知ってる。だけど診てやって欲しい。お願いだっ」
初めて聞く友人の必死な声。
「お願い」をしてくるオーレリアンに、アルトは少なからず戸惑った。
しかし、それも僅かな間だ。
すぐ真面目な口調に切り替えて話し出す。
『……わかった。俺、今仕事の移動中で出てるから、父さんに電話しとく。オーレリアンは直接俺んちに行って。住所は教えるからさ』
「……恩に着る」
こうしてアルトの家の場所を教えてもらったオーレリアンは再び感謝を述べた。



