母親を蘇らせるための研究。

自分の悲願。


(くそっ…!母様が死んでからずっと、一日だって自分の罪を忘れたことなんかなかったのに…)


最近は小鳥のことを思う時間が多くなった。


(……あいつのこと考えてると、心がホッとする。不思議と、あったかくなるんだ…)


母親について深く考える時は、決まって心が冷える。

暗く重たい孤独がのしかかり、自己の精神がジワジワと悲愴感に蝕まれていくようで恐ろしい。

「小鳥…」

オーレリアンが祈るように目を閉じた時だった。


「おお!ここにいたか、クラヴィエくん。探していたんだよ」

資料室の扉が開き、オーレリアンと親しい中年の男性教授が入ってきた。

「教授、こんにちは。僕に何か?」

パッと目を開けて教授に向き直る。

すると教授のにこやかな笑みが視界に映った。

「なに、君が喜ぶと思ってね。誘いに来たんだ」

「誘い?」

「明日、クローン研究者達の研究報告会があることは知っているね?」

「はい。聞きに行く予定です」

「それで報告会が終わった後、私の家に仲の良い研究者達を数名招くことになったんだが…。どうかな?君も一緒に。クラヴィエくんが会いたがっていた水堂清白も来る予定だよ」

「よろしいんですか!?」

「もちろん。君は優秀だからね。直接いろんな研究者達と言葉を交わしてみるといい。何か新しい発見や考え方を得られるかもしれないから」

「はいっ、ありがとうございます!」

愛読書の著者と直接会って話ができる滅多にないチャンス。


(母様のために、もっと多くのことを知らなきゃいけないんだ!またとないこの機会、無駄にはしないぞ)


明日が楽しみだ。

オーレリアンの目は生き生きと輝いた。