「………お前さ、何持ってるの?」
「………」
問われても口に出したくないので小鳥はバッと表紙をオーレリアンに向けた。
手がプルプル震えてしまうのはこんな雑誌に触れている自分が恥ずかしいからだ。
「これ……どなたのですか…?」
「……さあ?お前のじゃないの?」
「すっとぼけないで下さい!ここにあったんです!まさか…オーレリアンさんの…?」
「そんなわけないだろ!女嫌いのこの僕がエロ本なんて持ってるわけ――」
「あー。それ、俺の」
突然第三者の声がした。
小鳥とオーレリアンが同時に横を向くと、そこにはクラヴィエ家で一番背の高い人物が。
「カロンさん!?」
どっからわいて出たのか、落ち着いた表情のカロンが立っていた。
「これ…カロンさんの…なんですか?」
「そ。ここに隠しておいた。うちの奴らは文学なんて読まねーから丁度いい隠し場所だったんだけど…。見つかったか」



