凄むオーレリアンにたじたじとなる小鳥。

上手いフォローだとちょっと自信があっただけに、しょんぼりだ。

そんな小鳥の横でオーレリアンが呟いた。

「意外と効果切れるの早かったよな…。もう少し大人でいたかったのに」

「え?大きい方が良かったんですか?」

「うん。だって、さっきの僕とお前なら丁度釣り合いがとれてただろ?」

自分の手を見つめながらオーレリアンは語る。

「大人な僕に子供なお前。視覚的にハッキリしてた。けど戻ったら、僕はどうしたってお前より年下なんだ…」

「年下と言っても、一つですよ?」

「差が一つだろうと年下は年下だ。せめて同い年とかなら…。クソッ、なんか悔しい」

見つめていた手でギュッと握り拳を作るオーレリアンの表情は本当に悔しげで、小鳥は目を丸くした。


(私は歳の差なんて気にしたことなかったのに…オーレリアンさんは違ったんだ…)


小鳥は彼の作った握り拳にそっと自分の手を重ねた。


「焦らなくても大丈夫ですよ。いつかきっとなります。さっきみたいな、私達に」

未来の小鳥と自分を想像したのか、オーレリアンの頬がちょっぴり赤らむ。

「まあ……いつかの未来でも悪くないか」

楽しみだ、とは言わなかった彼だが、その瞳は正直だ。

嬉しげに小鳥を見つめる。

「言ったからには、ずっと隣にいろよ。未来でお前の隣に僕以外の男がいるとか、許さないからな」

命令口調とは裏腹にオーレリアンの声は甘く、優しげだった。