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 悪態をつきつつも、以前より小鳥のことを気にするようになったオーレリアン。

護衛役の自覚はあるようで、見張りと称して小鳥と行動を共にすることが多くなった。


とある日曜日。

屋敷の図書室で勉強するからお前も来いとオーレリアンに言われた小鳥は、素直に図書室へ赴いた。

室内にある机に彼と向かい合わせで座る。

「僕は課題をやるから騒ぐなよ。大人しく本でも読んでろ」

「はい」

読書は嫌いじゃないので小鳥は嬉しげに返事をした。

椅子から立ち上がって本棚へ近寄る。


(いっぱいあるなぁ…。何を読もう?)


高い天井に届くほど大きい本棚の列を眺めながら考えていると…。

「この列にはお前の頭じゃ到底理解できないような本しかおいてない」

いつの間にかオーレリアンが背後に立っていた。

「なんか探すならあっちにしなよ」

「あ、はい。ありがとうございます」

アドバイスしてくれたオーレリアンにお礼を言ってからふと疑問に思う。

「オーレリアンさん、課題をやっていたんじゃ…?」

「参考文献が必要だから席を立っただけだし。お前のアホ面を見るためじゃないから」