紗奈side

私と真琴が初めて会ったのは

約11年前−−−−−−

私がまだ5歳の頃。



お母さんに全く知らない家に

連れて行かれて私は不安で一杯で

ずっとお母さんの後ろに居て、隠れていた

『ほら紗奈、恥ずかしがらないで出てきなさい.』

「うん………」

私は恐る恐るお母さんから離れて

後ろから出ていった。

私がそこで見たのが私と同じ歳の

真琴だった。

「やっと出てきてくれたな!俺真琴!
よろしくな!」

無邪気な笑顔でそう言って手を出して

私は緊張しながらも

「えっと……私紗奈…よろしく…」

小さく微笑んで言って真琴が出している

手を握って握手した.

その時から私の中で初めて









"好き"という感情が芽生えた.