ニセモノ彼女


「っていうか、何してんの⁇」

「飯 買ってきた。
今から、家で食う。」

綾は翔太君へのボディタッチをやめない。

今まで、一度も聞いたことのない甘ったるい声で翔太君に話しかけている。

……彼女は……ニセモノでも彼女は私なのに。

黒い感情が巻き上げてきた。
でも、それをぐっと抑えた。

だって、私はニセモノ彼女。

翔太君の足枷になってはいけないから。