檸檬色





「…はじめて話したよ」



あんまり人にこんな話したことない



「ちゃんと向き合えばよかった」



彼の気持ちを
私の勝手で振り回したらダメだった

ちゃんと、向き合って

好きって言えるように
したかったな




「………もし」




祐兄ちゃんがボソッと言う

いつもそんなしゃべり方しないのに




「どしたの?」




「詩乃……さ…」



「うん?」



ふっと目が合う




「あ……ううん
なんでもね」



いつもみたいに
犬のようにくしゃっと笑う




「なにそれ!」



なに言われるのかと思った