檸檬色





「…祐兄ちゃん」



「一緒に帰ろう」




頷いて立ち上がる

大丈夫大丈夫


「詩乃、またおいで」


千尋が少し不安そうに声をかけてくれた



「今日はここに泊めてもらうよ
電話いつでも出るし
いつでも詩乃のとこ行くから」


夏稀も静かにそう言ってくれた



「ありがと」



祐兄ちゃんのあとについて善太さんの家を出る


「善太さん、ごめんなさい
ありがとうございました」



「ん、またおいで」



「ありがとうな、善太」



祐兄ちゃんもお礼を言う

善太さんはいつもの大人な笑顔で見送ってくれた