檸檬色





「………私だけ」


ボロボロと
涙が溢れてくる



祐兄ちゃんが目の前に座って

私の手から手紙と書類を取った




「詩乃……これ、見たの?」



祐兄ちゃんは
驚きもせず
私を見た



「……兄ちゃん?」



知ってたの?




祐兄ちゃんが私をゆっくり抱き締めた


こんな時でも
いつもみたいに
私の体は熱くなる