檸檬色





バタンッ


「詩乃!!」


玄関のドアが開く音

階段を急いであがってくる音



祐兄ちゃんの声




「詩乃!」


「…兄ちゃん」


「何があった?」


「だから、何でもないよ」




祐兄ちゃんが私に近づく


反射的に手に持ってた書類と
手紙を後ろに隠した