檸檬色




残されたのは
汚れた体に残る
あの人の手の感触



「メモ…」



車のナンバーをケータイのメモに残す



「詩乃…千尋…」


千尋は善太さんといるから



「………詩乃…」


震えだした指先で
詩乃の連絡先を押す



「もしもし!どうしたの~」


何コールもせずに詩乃が出た


「もしもし?夏稀?
聞こえてる?」



「……詩乃」




もう名前しか呼べなかった