檸檬色


「……○○駅」



それは1時間半前にバイバイした
海の最寄りのバス停


「なんで……
とりあえず、行くから!
待ってて」



「…………うん」




どうして海から帰ってないの?

何があったの?



「兄ちゃん、ごめん!
ちょっと…」


もう頭が混乱して走り出そうとする私の腕を祐兄ちゃんが掴んだ



「どこ?送る」


「……○○のバス停」



もう半べそをかいてる私にヘルメットを被せる


「詩乃、落ち着け
後ろのって、しっかり掴まってな」



海が見えてきた

バス停までもう少し


どうしたんだろう
なにがあったんだろう
夏稀……夏稀……


胸騒ぎと冷や汗が止まらない