「ああ」
とうなずいて直矢は背を向けて歩き出した。
年格好が変わっても、歩く後ろ姿は変わらない。
私に心を残して、それを無理やり引っ張って帰ろうとするような、そんな姿だ。
私は、やっぱり直矢は私のことを好きなんだと思いながら、遠ざかる彼の後ろ姿をいつまでも見つめていた。

END