~凪咲side~

うぇーん。泣

あのね?
毎年同じクラスだった慧くんとなっちゃんと離れちゃったぁー……しかも、1人このクラスに…。泣


「うぅ…なっちゃん…慧くん…。」

あたしは、代表に選ばれることとか
推薦される事は多いけど
人と話すのは題の苦手です……。泣

「なぁ、お前が噂の゛美沢凪咲゛か?」

えー?
あたしと同姓同名の子なんているのぉー?泣

「おぃ、聞いてんのか?」

ほら、呼ばれてるよ………

「おいって!」

そういって、顔を近づけてくるある一人の男子。

《ドキッ》

ひゃわわぁ……あたしこういうの慣れてないのにぃ…。泣

「え、あ、えと、あ、あたしですか?」

あちゃぁ……噛んじゃった。泣

「え、そうだけど、君以外に美沢凪咲なんていないしって、俺なんかした?!」

何を一人で騒いてるのこの人……

「くすくすっ。あ、笑ってごめんなさいぃぃぃ。泣」

「っぅぅぅぅ~。////」

この人おかしいよ。笑
表情がコロコロ変わるんだもん。笑

「貴方の、お名前は?」

「っ!?え、えーと、俺は、嶺艶獅悠珠の幼馴染み、獅堂艶歌。艶歌って呼んで?っ、て言うか、ね?その顔……反則っ///俺以外に見せちゃだめね?」

よく分かんないけど、頷くあたし。
と、そこに。


「なーぎさっ!おひるたーべよ?」

と、なっちゃんからのお誘いが♡

「なっちゃーんっ♡あ、艶歌も来る?ね、なっちゃん、いいよね?」

だけどこの発言はダメだったのか

「凪咲?あのね。あたし達クラス離れたでしょ?多分この3年であたし達双子と凪咲が一緒のクラスになる事は無いと思う。理由は後で詳しく話すとして。そんな中凪咲はクラスに一人。もしかしたら昔の事を知ってる子がいるかもしれないのよ?それなのにクラスが違うから守ってあげられない。凪咲はいつでも一人で抱え込もうとするから、自分から絶対話しては来ない。だけど何年幼馴染してると思ってるの?凪咲の事なんてお見通しなの。だから、会える時間は極力あたし達と一緒にいて。あたし達以外に近づいちゃダメ。それが"男"ならね。と言う事で、獅堂艶歌、貴方の事は知ってます。あたしの父が艶獅さんのこと褒めていらしたの。まぁその話はどうでもいいの。凪咲は幼い頃に約束したひとがいるの。凪咲が付けてるリングネックレス。本人は誰から貰ったかは覚えてないみたいだけど『大好きな人から貰ったんだぁ!』って幼い頃からずっと付けてるの。お風呂の時以外肌身離さず。貰った相手の顔はハッキリと覚えていないのにずっと付けてるものだからあたしおもわず、『見ず知らずの人に貰ったものをどうしてずっと付けていられるの?あたしなら気持ち悪くてすぐ捨てるな。』って。そしたら素直に『何だか、これはとても大切で捨ててはならないような気がする』って言ってた。だから、顔は覚えていないのに心は繋がってる。顔は分からないのに凪咲はその人のことが好きなの。貴方が邪魔できない程の絆に守られてる。でも、この学校にその相手はいるはず。だから、あたし達が一緒にいるの。分かったら、二度と凪咲に馴れ馴れしくしないでいただけますこと?貴方の生死はあたしにかかっていることをお忘れなく。あ、そうそう。いくら双子だからといって慧斗に手を出してみなさい?ただじゃ済まされませんことよ?では。凪咲行くよ。」

なっちゃん、多分5分は一人で喋ってた。
この言葉に何度救われてこの言葉で何度人に嫌われて来ただろう。
いじめられてからというもの仲良くしようと頑張るとなっちゃんはあんなふうに言って人を近付かせないようにするの。
それが嫌って思う時もある。
でも、なっちゃんも慧くんもツンデレさんだから表現が難しいんだよね。
だから、この言葉は〈酷い言葉〉じゃなくて〈守りの言葉〉なんだよね。

でもさっきのなっちゃんはなんか少し怖かった……。

ボソッ《氷坂梛抓……許せねぇ。》

???


艶歌が最後に呟いた言葉があたまをぐるぐる駆けまわった。