赤くなった顔をそらすように天井を見上げる。



ほんと、反則ですよ、上目遣いとか……




そう思ってると、



「伊藤、おはよう。そいつ誰?」




先輩のクラスメイトなのか、男の人が話しかけてきた。



伊藤というのは先輩の名字だ。



「あー、鈴木くんだ、おはよっ!この子は後輩くんだよ!」




ニコニコと話しかける先輩に少しモヤっとする。




「へぇ…後輩か……後輩、ねぇ……」



この鈴木と呼ばれた男も先輩のことが好きなのだろう。


意味深に微笑んでくる。




「…千夏先輩、後輩くん、じゃないでしょう?名前で呼んでくださいよ。」




伊藤 千夏、それが先輩の本名。



なんだかムカついてそう意地悪を言うと先輩は少し顔を赤らめてから口を開いた。