そこで初めて俺の気持ちに気付いたようだ。
「要くん、それ、本当……?」
その言葉にコクリと頷く。
「幼くて可愛くて天然で鈍感で時々イラってくるときもあるけど、そんな先輩が好きなんです。」
すると先輩は恥ずかしそうにモジモジとする。
慣れてないんだろうな、きっと。
「要くんだって人のこと言えないくらい鈍感だよ……っ…」
そう言って先輩は俯いた。
声は微かに震えていた。
「私だって要くんのことずっと好きだもん……だけど気付いてくれなくて…」
「それはお互い様でしょうが。」
やばいにやける。まさか両思いだなんて思わなかったから。
でもあえて俺はそれを出さずに少しキツめに言う。

