梅雨少年、晴少年。

「しっかし見てるだけで暑いね、梅雨少年」

「ほんと、今日の天気みたーい」


そんな女の子たちの笑い声を聞きながら、体育館の外を見やった。

グレーの空に、しとしと降る雨。


こんなんじゃないのになぁ……。



「……ぃ、舞!」

夏樹の声ではっと我にかえった。


「まぁ世の中の多数が奴を湿気の代名詞で呼ぼうと気にすんなって!舞が好きならそれでいいじゃない」

「えっ…」

「ま、私もその多数派の一人だけどねっ」

「夏樹ぃ〜…」



紺野君と喋ったことは、まだ2回だけ。

助けてくれたときと、紺野君がネット張りをしてるときに「手伝うよ!」って私が声かけたとき。


もっと話しかけなきゃ!
次の体育のときこそ紺野君と二言以上交わそうっ!