梅雨少年、晴少年。

私が初めて彼、紺野君を見たのは体育が2クラス合同になった今年の4月。


バレーボールが飛んできて私に当たりそうになったときに助けてくれて
「大丈夫?」
って笑顔で言われたときから、私の頭は彼でいっぱいだった。



彼は背が高くてどこか不思議なオーラがある。
まっ黒な髪の後ろの方は肩につきそうで、目は前髪のすき間からしか見えない。


そんな彼のことを女の子たちは『梅雨少年』と呼ぶ。
理由は、その風貌がじめじめしてるから…らしい。



でもあのときの笑顔は、私にはからっと晴れた夏の青空のように見えたんだ。