だから、瑞希は奏兄を好きになった。
生まれながら決まっていたのだ。
俺が勝てないことも。
奏兄がいる限り、瑞希は俺を見てくれないことも。
きっと、どんなに頑張っていても最終地点は今と同じだったのだと確信する。
そう、俺がどんな選択肢を選んでも、辿りつく先はこの現実。
そんな当たり前のことに今さらになって気付く。
憎い。
ずるい。
奏兄さえいなければ、俺と瑞希の目の前に現れなければ、俺は幸せになれていたのに。
誰にも奪わせない自信ならある。
奏兄がいない世界なら。
大人面して、善人面して、達観したような顔して俺に話しかける姿に虫唾が走る。

