最初で最後の嘘





「お前のことが昔から大嫌いだった」



「うん」



「泣き虫で甘えたがり屋でいつも人の周りをうろちょろして」



「うん」



「中学から滅多に会わなくなったけど、それでもお前の顔を見かけるだけで、その日一日、気分が最悪だった」



「うん」



 そう、彼女といると負の感情ばかりが付きまとう。


 瑞希と自分の互いへの思いが違うと気付いてからずっと。


 好きだからこそ、大嫌いだった。


 憎かった。


 自分の視界に入るだけで押さえつけることができない憎しみが顔を出す。


 一体、俺は何をやっているのだろう?


 彼女と話をしたくて、ここまで連れてきたわけじゃない。


 こんなところで、感情的になって八つ当たりして何をやっているのだろう。


 何もかもがぐちゃぐちゃだ。


 感情の高ぶりで目頭が熱くなる。


 口から出される言葉が震えるなんて、格好悪い。


 格好悪い。


 格好悪い。