参獣龍

-唯織side-



瑠璃達と離れて数日。




俺の心はぽっかり穴が空いたように




放心状態のままだった。



こないだ母さんにも



『最近瑠璃ちゃんの家行ってないんだね』って言われたくらいだ、



俺たちの両親もみんな揃って幼なじみらしい。



だから、ほんと情報早いんだなーって思った。



確かに前までは毎日瑠璃の家に行っていた。




それがガキの頃から当たり前だったから




瑠璃の家が極道の家だとしても




俺らはただの幼なじみの家だ。




瑠璃の家の人たちはほんといい人達だから。




それに瑠璃は自覚してねーけど、かなりの金持ちだ




だから、それを利用しようとする奴もたくさんいたから




そんな奴らが瑠璃に近づかねーように



俺らで守っていたのに




俺は自ら手を離した。