えっ?今日は久しぶりの1日オフだったはず。
お姉ちゃん学校に行けるの嬉しそうにしてたのにまだ1限が終わったくらいじゃん、可哀想すぎる…。
ていうか、またあとでお家で…って何言ってるの?
いつ帰ってくるのか分かんないのに待てるはずないし。
…うん。今この授業をしている先生ならいけるでしょ。
「せんせぇ、授業中にすみません…ちょっと具合悪くて保健室で休んできてもいいですかあ?」
「あらぁ伊藤くん、大丈夫?確かに顔色悪いわね、無理しないで休んでらっしゃい。」
自分でこんなこと言うのもなんだけど第二弾。
僕、結構ルックスもいい方。かっこいいよりは可愛いよりだけど。
「ありがとうございます…心配かけてすいません。」
あとは……。
(龍夜〜カバンはまかせた。持って帰っといて。)
(はいはい、どうせ玲蘭さんだろ?)
(さすが龍夜、当たり〜。じゃあね〜。)
コソッと耳打ちをして、数少ない友達の龍夜に伝える。
ごらんの通り何度もやってきてることで、龍夜も慣れた様子。
まだお姉ちゃんからメールきたばっかだから、間に合うはず。
保健室とは別方向の校門へ、隠れながらも急いで走る。
僕の中学校とお姉ちゃんの高校は同じ敷地にある。つまり附属の学校なのである。
もちろん僕が両親にお願いしてお姉ちゃんにこの学校にしてもらえるように仕組みました〜。
……あっ!!お姉ちゃんいたっ!!
「お姉ちゃんっ!」

