モデル姉さんのファンは弟くん


「だから俺はびびってなんか……!」





「何か飲めば気分もよくなるかな?ちょっとここで待ってて!」






「っおい!1人で行くなって!…ったく。」






帝くんの返事を聞かずに小走りで飲み物を探しにいく。





あっ!あったあった〜自動販売機発見。





帝くん、何がいいかな?うーん…こういう時はお水が無難かな?





水を買って帝くんのとこに急いで戻る。






「はいっ帝くん。おまたせ!どうぞ!」






「ありがと。でも、人気モデルが勝手に1人で行動すんな、気をつけないと…。」





「そんなにたくさん話せるならもう大丈夫ってことで!よし、次はコーヒーカップにしよう!」






「おいっ…だから1人で行くな。」





「…!」






帝くんの手がわたしの手を掴んだ。







圭じゃない男の人と手を握るのなんて初めてだから…ドキッとしてしまった。





「はあ。ちっさい子どもを育てる親の大変さがわかったわ。」





「えっ!?なっ!まさか子どもって…わたしのこと?帝くんと同い年だけど!!」






「顔赤くして、手を繋ぐぐらいで照れてんの?」





「もう…!1人で大丈夫だから離して。」





「やーだね。離してやんない。」





さらにぎゅっと、指を絡められる。





「こういう風に守るのも俺の仕事だから。」






「もう〜!お仕事で手を繋ぐマネージャーなんてないよ。」






「俺は特別。玲蘭が問題児だからな。」





「う〜…遊園地連れてきてくれたし…今日のところは意地悪しても許してあげるけど。もう意地悪しないでよ?」





帝くんの手の暖かさが心地よくって、私も帝くんの手を無意識に握り返していたのには気づかず、そのまま手を繋ぎコーヒーカップ乗り場に向かったのだった。