「…っ…んだ…そんなことかよ。どうせ俺がどこで、誰となにしようが玲蘭は全く気にならないよな。」
「あ、それも少し考えてたよ?」
「え…!?」
「お仕事終わって帰る時、なんだか普段の帝くんっぽくなかったというか…ソワソワしてた感じだったから会うのが待ち遠しい人がいるのかなって…!.へへ、聞いていいかわかんないけど彼女さんと約束してたの?」
「………。」
なんだか嬉しそうだった帝くんの表情が固まって、無言に。
「ごめんなさい!変なこと言っちゃった。やっぱり嫌だったよね、プライベートなことなのに。」
「……ちがう、そうじゃない。ちょっと期待した俺が間違ってたけどさ…そんな楽しそうな顔で聞くなよ。」
「え?わたしの顔で怒らせたの?」
「っ…はあ…ほんと……はぁ。」
な、なに?ため息の連続だ…。
「あっ玲蘭、帝くん!そろそろ出発するよ〜。」
副社長さんから声がかかり、手招きしている。
「玲蘭、仮眠っていうほどの時間じゃなかっただろうけど少しは休めた?」
「はいっ!なぜか寝れたんです!だからすごくスッキリです!」
「ね!俺もびっくり!さっきこっそり覗いたら寝てたから驚いたよ!それほど疲れてるんだろうね。」
「疲れが溜まってる感じはないんですが…そうなのですかねえ…。」
真相は謎だけど、寝れたから次のお仕事も全力で頑張ろう!!
ーーー…そしてスタジオに到着……したのだけど。
「ス、スケジュールが変わったって…ここってまさか…?…しかもこれは台本と言われるものですよね!?」
現場に着くと、写真撮影でも番組セットでもなく、ドラマのメイキングで見るようなセットが目の前に。

