「ん〜…あっ着いてる!運転ありがとうございました!あの少し喉が渇いてしまって…飲み物ありますか?」
「あ、ちょっと待ってね。」
この様子だと玲蘭も気づいてない。
安心すると同時に、なぜか悔しい。
「ん。水なら冷えてんのあるけど。」
「わ、帝くんありがと〜!」
なんで他の相手はいんのに俺はわざわざ玲蘭に?
…ただ満たされたかっただけだよな?
だけど今までこんな衝動に駆られたことなんてない。求められるからそれに応えきただけ。
あーあ…もう考えんのだるい。このあと誰かと適当に遊んでスッキリしよ。
「ん?あれ?わたしなんか忘れてる気する…なんだろ?」
「は?忘れもの?」
「ううん。忘れ物とかじゃなくて…うーん…なんだっけ。」
あぁ。もしかして俺と話さないってやつ?
「…さぁ?わかんねぇけど。」
「帝くんと一緒に考えてもでてこないからそんなに大事じゃないのかなぁ〜?」
「そういうことにしといたら?」
さっきのこと忘れてくれたならそのままでいてほしくて知らないふりをした。

