なんだか早くに目が覚めて、予定より少し早いけど副社長の運転で玲蘭の家に迎えにきた。






チャイムを鳴らすと、玲蘭の母親が出てきて玲蘭の支度がまだ終わってないと伝えられた。





俺が早めに来ただけだから時間の余裕はあるし、待たされたことには全く苛立ちはなかった。





ただ玲蘭が車の前にきてから、あいつが案の定玲蘭にべったり離れようとしないし、挑発したいのか玲蘭を抱きしめながら俺を見て小さく笑った姿には腹が立った。




玲蘭の隣に座り、車が出発した。





「玲蘭のお母さんが言ってたけど、弟は補習でしばらく着いてこないんだって?」





「あっ、うんそうなの。不安だなあ。」





だめだ、イライラする。そんな不安そうな顔すんなよ。




「いつまで姉弟でそんなにベタベタしつづけんの?普通姉妹でもそんな仲良くねぇのにお前らおかしいから。」




「っ…そんな風に言わなくても…。」





こんなこと言うはずなかったのに、言葉がとまらない。




「周りからお前らを見てそう思うのは俺だけじゃねぇから教えてやってんだよ。言われたくなきゃ人前でべたべたすんな、見てて気分悪くなんだよ。」





「ひどい…もう話さない…!」





玲蘭は今にも泣きそうな顔になってうつむいた。





「あ…ご、ごめん。」





こんなこと言うべきでなかったのに、玲蘭を傷つけてから我に返った。




「…………。」





「俺が変なこと言った。…本当ごめん。」






玲蘭は下を向いたまま何も言わない。