この人たちは誰なんだろう?
まるでお母さんとお父さんみたいだけど、わたしのお母さんとお父さんではない。
そして車が走り出してから少し経った。
ずっと前に座っている2人と楽しそうにお話をするわたし。
【っ!?まずい!!!!】
突然キィィィィィ!!と大きなブレーキ音の後に、ドゴーーーーーンッとものすごく強い衝撃音が響いた。
な、何?急に目の前が真っ白になった。
【ねえ聞いた?玲蘭ちゃんも意識が戻らないみたいよ…お気の毒ね。】
ん?わたしの話?
知らない場所にまた知らない人たちが出てきて、ヒソヒソ話をしている。
【こんな話をここでするのも罰当たりでしょうけど…もし、意識が戻ったらどうしましょう。誰が引き取るのかしら?】
【意識が戻っても、事故の後遺症が残るかもって聞いたわ。】
【そうみたいねぇ…わたしのとこは子ども3人いるし、引き取るのは…。】
【わ、わたしのとこだって親が体調が悪いから他の世話なんて…。】
ズキンッ。
うぅ…頭がズキズキして、ドクドクと鼓動が早まっていく。
や、やだ…。
やめて……お願い、やめて。

