玲蘭が戻るまで時間がかかっていたから更衣室の近くまで行くと、玲蘭と弟が何やら話をしていた。
話を盗み聞きすると、どうやら試験があったのに欠席をして、今から行けばいいものを玲蘭と一緒にいれないからと渋っているようだった。
あいつ…玲蘭への執着が異常だろ。
玲蘭もあんなのほっとけばいいのに。玲蘭の態度に苛立ちを感じながら、これからやってもらうアンケート資料をまとめることにした。
ーー…10分経ったくらいで玲蘭が戻ってきた。
「はあっ…お、待たせ…しましたっ…!本当にごめんなさい!!」
全力で走ったのか、すごい息切れしてる。
「いや、べつに大丈夫だけど。そっちが大丈夫?」
なんとか説得したのか、戻ってきたのは玲蘭だけだった。
「うん、なんとか…!待たせた分、早く終わらせるね!」
「だから別に気にしなくていいって。結構多いからのんびりやればいいよ。」
2人きりだけど、玲蘭から昨日のような緊張感はあまり感じない。
「おお本当、たくさんだ。あはは、眠くなっちゃいそう。」
昨日はあれほど俺のことすごく警戒してたくせに。まあそんなところも玲蘭っぽいけど。
「あれ?そういえば、帝くん学校は平気なの?」
「ほとんど行ってない。玲蘭の弟ほどではないけど。」
「おサボりさんが周りにこんなにいるなんて…。」
サボりっていうか、女と遊んでるっていうか。
ただそれは口には出さなかったけど。

