「僕は授業中に仮眠はとったし平気だから！」





あ〜…悪いことしてる。






圭はちょっと不真面目でも勉強はすごくできちゃうからズルいよね…。





おそらくいまわたしが勉強してる範囲も圭ならわかっているであろう頭脳の持ち主。





「あっそうだそうだ。2人を家に送る前に、一度事務所に寄って行くからね。」






「えっ事務所ですか？なにかありましたっけ…？」







「いやあ僕も、社長から伝えたいことあるからとしか言われてないんだよね。」






なんだろう…な、なにもしてないよね…？






「そしたらなおさらだよお姉ちゃん！家に着くより時間かかるんだから！はいっ、寝てて。」






「うう〜いつもありがとう。…じゃあお言葉に甘えて。」






半ば強引にだけど眠気はピーク。






「ふふ、お姉ちゃんおやすみ。」





圭はとっても暖かい。





頭を預けたとたん、もう眠ってしまいそう。






暖かくて…安心する。






わたしは小さい頃から、なぜか家族がそばにいないと眠ることができない。





だから修学旅行とかお泊まりの日は全然眠れなくて、具合が悪かった記憶がある。






だから圭はそれを知ってわたしのそばにいてくれているのだろう。






わたしがお姉ちゃんなのに、いつも圭がお兄ちゃんみたい。そばにいて、困ったときはすぐ助けてくれる。






圭が弟でよかった。






圭にありがたさを感じながら眠りについた。





ーーー…。





「まじ寝顔も天使…ちゅっ。」






圭にそんなことを言われて、ほっぺにキスをされるちょっかいを出されたことなど気づかず。