キーンコーンカーンコーン…
予鈴のチャイムが私の頭に響いた。
それと同時に、ガラガラと教室のドアが開く音も響く。
「神那様、滝宮心芦ですお話しいいですか?」
滝宮心芦(リュウグウ シロ)は風紀委員会の福委員長。
私は風紀委員長の神那桜愛(カミナ サクラ)。
みんな私のことを神那様と呼ぶ、理由はわからないんだけどね。
「なに?」
「はい、今日実はこの学園に緊急で転校生が来るらしく…」
「緊急?誰なの?」
「名前は萌咲郁、身長155cm、体重40kgで1年A組に転校予定です」
「わかった、それでその転校生は?」
「あ、はい!入ってきて転校生」
すると、ドアがもう一度開き腰くらいまであるツインテールをなびかせた、かわいらしい女の子が入ってきた。
本当に高校生なのかわからないほどの童顔ね……
「初めまして!萌咲郁(ホノザキ イク)と言います、事情があって前の学校を口に出すのは禁止されてて言えませんが…よろしくお願いします」
「随分丁寧ね…まぁいいわ、心芦、萌咲さんに1年A組まで案内させてあげて?」
「わかりました神那様、萌咲さん、私についてきてくださいね?」
「はい」
そう笑った顔がどこか見覚えがある気がした…。
どこだっけ…
見間違い…?
「ありがとうございました風紀委員長さん♪」
「萌咲さん、神那様と呼んでください!」
「いいのよ、心芦」
見間違えね…
私には男の子の知り合いがいても、女の子はいなかったから………。
私の初恋の相手…
