「わかっていると思うけど、私、まだ結婚なんて考えてないからね」

「わかってるよ。柚月と離れたくないんだ。だから、その気になるまで待つよ」

私の頬に手を添え、甘い声と優しい微笑みで囁くから卑怯だ。

「私も悠と離れたくない。悠とずっと一緒にいる」

「かわいいこと言うね…もっと、俺だけに夢中になってよ」

両頬をそっと優しく手の平で包み、背の高い悠は首を傾げ私のキスを待つ。

結局、私は悠の手の平で踊らされているのかもしれない。

それでもいいと思わせる魅力的な唇

私は自ら悠の唇に触れキスをする。

それも

とっておきの言葉とともに……


「愛してる…」


たった5日で

全てが変わってしまった。

だから、ゆっくりと恋愛期間を楽しみたいと思う。

そう思うのに…

愛しい人の唇は私を惑わす。

「俺達の子どもは柚月に似てかわいいだろうね」

「悠に似た方が絶対かわいい」

「じゃあ、子どもは2人。柚月に似た女の子と俺に似た男の子。早く俺たちの子に会いたいと思わない⁈」

「……」

会いたいけど…

何が言いたいの⁇

「だけど…しばらくは柚月は俺のもの。もっともっと俺に夢中になって…」

一瞬、悪い顔をして耳打ちする。

『今日から心も身体も俺なしじゃいられなくなるまで夢中にさせるから覚悟して』

アワアワする私を見て楽しんでいた。