妖艶な笑みに背筋がゾクっとなり身震いが起こる。

「あーぁ、更に色が濃くなった。これじゃ、胸の開いた服は着れないねぇ」

悠は、自分でつけた痕なのに他人事のような口ぶりでワンピースの裾をたくし上げ、ショーツギリギリまで太腿を露わにしていく」

「……やめて」

「やめて⁈……柚月はわかってないよね。ついこの間、自分が痴漢にあったの忘れた?こんな格好で歩き回るなんて危機感ないの⁈」

それを言われると返す言葉が見つからない。

だけど…その手はなに?

ソファから床に下りた悠が私の膝を割り片足を持ち上げ肩に担いだ。

「自覚なさ過ぎ…『んっ‥』…これで短いスカートも履けなくなった」

内腿に赤い痕を残して、楽しそうに笑う悠。

悠に翻弄されっぱなしで戸惑いが隠せない。

「……どうして‥こんなことするの?」

「まだ、わからない⁈」

もしかしたらって思ってるけど…

好きって気づいたのに

違ってたら‥

からかってるだけだったら‥

立ち直れない。

「………」

「……この間、俺は幼なじみの前に男だって言ったよね」

コクンと頷く私。

「その意味わかってる⁈」

「……わかってる、わかってるわよ」

下から覗く鋭い眼差しにたじろぐ。

「そう、それならどうしてこんなことするかわかるよね」

わからないから聞いてるのに謎かけのように返事を返すなんて…

「いじわる」

クッククと喉奥で声を殺し笑う悠。

「いじわるか⁈…いじわるにもなるよ。柚月は鈍いの⁈それともわざとなの⁈」



また、謎が増えた。

「こんなにヒントを出しているのにわからないなんて、柚月は俺のこと好きじゃないんだね」

目を伏せ悲しくつぶやく悠に思わず

「すき、好きだよ」

企みが成功した子供のようにニヤッと笑う悠の顔が私の視線がとらえた。

「……もしかして‥ワザと言わせた⁈」

「どうなんだろう⁈…訂正は受けつけないからね」

「ひどい…悠の気持ち言わないのに私に言わせるなんてひどいよ」

「俺の気持ち言わないとわからないなんてムカつく」

肩に担いでいた足をおろして膝を割った間から立ち上がった瞬間、私の背をソファに縫い付けるように覆いかぶさると荒々しく唇を奪われた。

「…んっ‥あっ、ぁ…ゃ…あ…」

「…俺が……どんなに…お前を好きか、どんなに大切にしてきたか…教えてやる‥だから逃げるな」