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「あははは〜、柚月、あんたどこまで鈍いの」

「……」

顎を引き、うーと唸りながら楓を見つめた。

「私から見ても、あんたが悠さんのことを好きなの丸わかりなの。悠さんの言動にいちいち反応してさ、顔を真っ赤にして気づかない方が変でしょう。彼だって絶対、気づいてるわよ」

「そうなの⁈」

「そうよ。気づいていなかったのは柚月だけだって…」

うそ……

穴があったら入りたい。

まさに、今、その心境だった。

「で、どうして気づいたの⁇昨日、何かあったんでしょう…それで、自分の気持ちにやっと気づいたってとこよね。2人きりにしてあげたんだから何があったか白状しなさい」

詰め寄る楓にたじろぐ。

そう…私は、

悠が好きって気づいたら昨日のことが恥ずかしくて、後で悠がご飯を食べに家に来るって考えたらいてもたってもいられなくて楓の家に逃げ出してきた。

そして、楓に相談している…はずが、尋問されている。

気づいたばかりの感情に戸惑い、全てを楓に打ち明けていた。

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「悠さん、積極的…そうまでして柚月に好きって言わせたいんだ」



「ちょっと、今の話の中でどうして、そんな解釈になるのよ」

「……はぁ〜、呆れるほどあんたは恋愛音痴ね。悠さんも苦労するわね」

両方の手の平を上に向け首を傾げて苦笑する楓。

「わかんない子に教えてあげる。

1番…そのネックレスの意味を思い出せってこと

2番…キスは焦らすように甘かったんでしょう

3番…しばらく消えないほど強く残したキスマーク

どれも思わせぶりに惑わして、ゆずに自分を印象強く残してる。

気づいていない悠さんへの好きって気持ちを引き出す為に、したたかにあんたを
落とすつもりなのよ。

わかった⁈」

わかった⁈って言われても…まったく理解できません。

「確かにネックレスもキスもキスマークも強く印象に残って悠が気になって…昔の約束も思い出して好きって気づいたわよ。だけど、どうして私から好きって言わないといけないの⁇悠も、思わせぶりなことしかけてこないで好きって言ってくれればいいと思うんだけど…」

「…じゃあさ、苦手で毛嫌いしていた相手から好きだって言われて…付き合える⁈いくらイケメンでもマイナスイメージのある男だったら、ゆず断るよね」

「うん」

「だからよ」