「エリサ…私、明日、帰ります…」
「またですか…
リーズ様、この旅に出てから一体何度その言葉を言われたか覚えておいでですか…?!」
「今度こそ本当です。
あんな場所で取り乱して泣いてしまうなんて…
私は、明日、皆さんにどんな顔をしてお会いすれば良いというのです?
みっともなくて…はずかしくて、会わせる顔がありません…
明日、早くに発ちましょう!
決めました!私の決心はもう何があっても絶対に変わりません!」
その時、誰かが扉を叩く音が響いた。
「エリサ、どなたが来られても、私はもう休んだと言ってちょうだい。」
エリサは返事もせずにドアへ向かった。
「まぁ!レヴ様…どうぞ!お入り下さい。」
(レヴ様?!
エリサったら、なぜレヴ様をお通しするのよ!!)
「リーズさん、遅い時間に申し訳ありません。」
「い…いえ…」
「先程は美味しいお菓子をどうもありがとうございました。
あれから、皆で全部綺麗にいただいたんですよ。」
「…あんなもの…
そんなことよりも、先程はお恥ずかしい所をお見せしてしまって…
本当に申し訳ありません。」
「何をおっしゃるんです。
謝るのはこちらの方ですよ。
あなたがそれほどまでに時間をかけてお菓子を作って下さっていたことも知らずに…」
「え…?」
「ジネットさんからお聞きしました。」
「いえ…私はただ皆さまに少しでも美味しいものを食べていただきたくて…
それでなくても、私は手際が悪いんです。
何にでも時間と手間をかけすぎると、いつも兄にも叱られてるんです。」
「それはあなたの作業がそれだけ丁寧だということです。」
「……え?」
「あなたは何事にも手を抜かず、真面目に一生懸命向かわれる方なんでしょう。
それは、とても素晴らしいことですよ。」
「レヴ様…そ、そんな風に言われたのは…は、初めてです…」
リーズの瞳にまた涙の雨粒が流れ出す。
「本当にリーズ様は、泣き虫さんですわね!」
エリサが手を伸ばすより先に、レヴのハンカチがリーズの涙を拭った。
「悲しい涙ではないのだから、構わないではありませんか。
ハンカチなら、私がいくらでも持ってまいりますよ。」
「レヴ様…!」
「またですか…
リーズ様、この旅に出てから一体何度その言葉を言われたか覚えておいでですか…?!」
「今度こそ本当です。
あんな場所で取り乱して泣いてしまうなんて…
私は、明日、皆さんにどんな顔をしてお会いすれば良いというのです?
みっともなくて…はずかしくて、会わせる顔がありません…
明日、早くに発ちましょう!
決めました!私の決心はもう何があっても絶対に変わりません!」
その時、誰かが扉を叩く音が響いた。
「エリサ、どなたが来られても、私はもう休んだと言ってちょうだい。」
エリサは返事もせずにドアへ向かった。
「まぁ!レヴ様…どうぞ!お入り下さい。」
(レヴ様?!
エリサったら、なぜレヴ様をお通しするのよ!!)
「リーズさん、遅い時間に申し訳ありません。」
「い…いえ…」
「先程は美味しいお菓子をどうもありがとうございました。
あれから、皆で全部綺麗にいただいたんですよ。」
「…あんなもの…
そんなことよりも、先程はお恥ずかしい所をお見せしてしまって…
本当に申し訳ありません。」
「何をおっしゃるんです。
謝るのはこちらの方ですよ。
あなたがそれほどまでに時間をかけてお菓子を作って下さっていたことも知らずに…」
「え…?」
「ジネットさんからお聞きしました。」
「いえ…私はただ皆さまに少しでも美味しいものを食べていただきたくて…
それでなくても、私は手際が悪いんです。
何にでも時間と手間をかけすぎると、いつも兄にも叱られてるんです。」
「それはあなたの作業がそれだけ丁寧だということです。」
「……え?」
「あなたは何事にも手を抜かず、真面目に一生懸命向かわれる方なんでしょう。
それは、とても素晴らしいことですよ。」
「レヴ様…そ、そんな風に言われたのは…は、初めてです…」
リーズの瞳にまた涙の雨粒が流れ出す。
「本当にリーズ様は、泣き虫さんですわね!」
エリサが手を伸ばすより先に、レヴのハンカチがリーズの涙を拭った。
「悲しい涙ではないのだから、構わないではありませんか。
ハンカチなら、私がいくらでも持ってまいりますよ。」
「レヴ様…!」



