「お願いです。
どうか、ここに残ってください!
リーズさんのために…」
「リーズさんは君よりもずっと物わかりが良い人だ。
私が旅に出ることにまったく反対はしていない。」
「それは、レヴさんのお気持ちを尊重してらっしゃるんです。
でも、リーズさんも本心ではレヴさんにここに残ってほしいと思われているに違いありません。」
「私はエゴイストだ…
たとえ、愛する人が泣いて止めたとしても…
……自分の信念は曲げられないのだ…」
「レヴさん…」
レヴのいう通り、いくら止めてもレヴの信念は変わらないのだ…
そのことはヴェールにもわかっていたこと。
本当は、一人で行くつもりだった旅…
自分のための旅にレヴを巻き込んでしまっていることに、ヴェールは心苦しさを感じていた。
しかし、レヴはそんなことを言っても聞いてはくれないだろう…
「わかりました…」
ヴェールには今はそう言うしかなかった。
「結婚はまだ先になるが、一応、婚約をしておこうと思っている。
もし、旅先で私の身になにかあった時には、リーズさんには出来るだけのことをしてさしあげたいからな。
それに、婚約もせずにただ待たせるだけでは、リーズさんのご両親もご心配されるだろうから。」
「そうですね。
でも、今度はなにかなんてありませんよ!
あっては困ります!
危険なことにはなるべく関わらないように気を付けて、そして、一日も早く帰れるように頑張りましょう!」
「そうだな…」
その日の夕食の時だった。
「父上、母上…実はご報告があります。」
「なんだ、急に…」
「私は…リーズさんと婚約しようと思っています。」
「なんと!」
「まぁ……!」
食堂の中がざわめいた。
「レヴさん、本当なんですか!
まぁ、なんてことかしら!
良かったわね、リーズさん!おめでとう…!!」
「ジネットさん、私…」
レヴから婚約の話も聞いていなければ、こんな場所で今日言われるとも思っていなかったリーズはひどく混乱していた。
ざわめきがやがて拍手に変わった。
「レヴ様、おめでとうございます!」
メイド達が口々に祝いの言葉を述べ、厨房からシェフも現れて二人に熱い拍手を贈った。
どうか、ここに残ってください!
リーズさんのために…」
「リーズさんは君よりもずっと物わかりが良い人だ。
私が旅に出ることにまったく反対はしていない。」
「それは、レヴさんのお気持ちを尊重してらっしゃるんです。
でも、リーズさんも本心ではレヴさんにここに残ってほしいと思われているに違いありません。」
「私はエゴイストだ…
たとえ、愛する人が泣いて止めたとしても…
……自分の信念は曲げられないのだ…」
「レヴさん…」
レヴのいう通り、いくら止めてもレヴの信念は変わらないのだ…
そのことはヴェールにもわかっていたこと。
本当は、一人で行くつもりだった旅…
自分のための旅にレヴを巻き込んでしまっていることに、ヴェールは心苦しさを感じていた。
しかし、レヴはそんなことを言っても聞いてはくれないだろう…
「わかりました…」
ヴェールには今はそう言うしかなかった。
「結婚はまだ先になるが、一応、婚約をしておこうと思っている。
もし、旅先で私の身になにかあった時には、リーズさんには出来るだけのことをしてさしあげたいからな。
それに、婚約もせずにただ待たせるだけでは、リーズさんのご両親もご心配されるだろうから。」
「そうですね。
でも、今度はなにかなんてありませんよ!
あっては困ります!
危険なことにはなるべく関わらないように気を付けて、そして、一日も早く帰れるように頑張りましょう!」
「そうだな…」
その日の夕食の時だった。
「父上、母上…実はご報告があります。」
「なんだ、急に…」
「私は…リーズさんと婚約しようと思っています。」
「なんと!」
「まぁ……!」
食堂の中がざわめいた。
「レヴさん、本当なんですか!
まぁ、なんてことかしら!
良かったわね、リーズさん!おめでとう…!!」
「ジネットさん、私…」
レヴから婚約の話も聞いていなければ、こんな場所で今日言われるとも思っていなかったリーズはひどく混乱していた。
ざわめきがやがて拍手に変わった。
「レヴ様、おめでとうございます!」
メイド達が口々に祝いの言葉を述べ、厨房からシェフも現れて二人に熱い拍手を贈った。



