イイコでしょ?

「いや、さっきのは…んー…」





言葉を濁す翔さんに、もどかしく思い、私は思い切って尋ねる。





「嘘か本当かだけ…正直に教えて下さい。」





いつもだったら、



間に受けてんじゃねぇよ、バーカ、



で返ってくる。






だけどなんだか今日は、



嬉しい予感しかない。





「あれは…ほんと。」





嬉しいのに、涙なんて出ないと思ってた。




でも今、私の頬を濡らすのは、嬉しくて嬉しくて嬉しくてたまんないって涙。



私が、くゔゔゔ…って我慢しながら変な声出して泣くから、翔さんはそんな私を見て、くしゃっと笑って親指で涙を拭ってくれた。






「そんなに嬉しいか。」





そう言った翔さんの顔は、いつもの意地悪な顔に戻ってて、依然泣いてる私の顔を楽しむように眺めていた。






「…嬉じい…です。あの、私あんまりちゃんと聞けてなかったんで、もう一回言って貰えるとありがたいんですが。」






「お前調子乗んなよ。一生言ってやんねぇからな。」






「いやぁ!酷い!愛してるって言って下さいぃーっ!」





「おい!恥ずかしいからんな事言うな!つかもう泣いてねぇし!」





「さっきは言ってくれたのにぃー!愛してるって!愛してるって言ってくれたのにぃー!」






嬉し過ぎて、バカになっちゃったみたい。



残業もまだ残ってるのに、もう一回言って、言うかよ!で笑い合って。





そんな事を繰り返して、涙の跡も乾いて消えて、





あぁ、これが本当の幸せなんだなって頭のどこかで確認した。






甘いキスを何度繰り返したって、ずっと残ってた心の隙間。





それが今、ピッタリと綺麗に埋まってしまったみたい。






最後のピースがはまった瞬間、私達は本物の夫婦に近付けた、そんな気がした。