イイコでしょ?

コーヒーが入ったカップを、両手で大事そうに包み込みながら、愛しの美希のうなじにアザがあった事を、夜の12時に押しかけて相談しに来た翔ちゃん。





明日でよくない?と思いながらもキッチリ聞いてやる自分に少し満足する。






「アザねぇ。キスマーク?」





「やっぱそうだよな。消えかかってたけど、そんな感じにしか見えなかったし…」






美希の初恋の相手。





木村和をNYから呼び戻した張本人は翔ちゃんだ。





システム部の部長が依願退職する穴埋めで。






そのおかげで、強力なライバルが出来てしまった翔ちゃんは、キスマーク一つで動揺しまくり。





落胆して頭を抱える姿、ムービーに収めたい。





「不倫、なんてするような子じゃねぇと思ってたのに…」





「まだ決まったワケじゃねぇ!」





「ジョーダンだよ~」





真剣に悩んでる翔ちゃんをからかうのって、ほんと楽しい。





隠れドSと書いて剛と読む。





独り言のようにブツブツと嘆く翔ちゃんに、決してバレないように爆笑してやる。





だって美希の前ではいっつも俺様貫いてるクセに…ウジウジ悩んでやがんの。





そう言うトコ、美希の前でも素直に出せばいいのに、





っていうアドバイスなんてしねぇ。






しなくたって、そのうちすんだろ?




ほんとの夫婦なら。