イイコでしょ?

・新井剛side

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白い女の腹の中に、膜越しに熱い液体を放つ。





こいつの名前、何だっけ。





グシャリと左手で掴んでいた女の髪をゆっくり離しながら、一秒思う。






ベッドの下に落ちていた下着とTシャツを纏って、タバコに火を付けた。





女が後ろから、俺の腹に手を回す。





「気持ちよかった?」





「ガバガバ過ぎて全然使えねぇ。」











ピンポーン






ナイスタイミングだと思った。




女の鼻の啜るムカつく音が聞こえて来たから。





タバコをベッドサイドの灰皿で揉み消して、女を見ないようにして玄関へ向かった。

















「また来たの?今度は何の用?」





ここ最近よく来る訪問者を、腕を組みながらめんどくさそうに迎える。





毎回似たようなツラ下げてやって来るのを見ると、こいつが副社長やってる事に会社の未来を不安に思う。






いや、あの…と、言いにくそうに玄関で俯く翔ちゃんを中へ入れてやった。





入れてやったと同時に、さっきガバガバと罵ってやった名前も知らねぇ女が、服とカバンを抱えて、泣きながら出て行った。






「…なんだ、今の。」





「翔ちゃん見えちゃったの?オバケ…」






ケラケラと笑いながら答えると、翔ちゃんは呆れたようにため息をついた。



















「で?」





ソファーに座った翔ちゃんに、コーヒーを差し出してやると、ため息と共に吐き出されたありがとう、という言葉を聞いた。





「もう不安で仕方ねぇよ。」






ポツリ、呟いた言葉は、今まで何度も聞いた。




不安。




で、俺はいつもこう返す。






「ヘタッピな生き方してんな(笑)」





きっとあの頃から。




翔ちゃんの不安はあの頃から始まって、今日までずっと続いてんだ。