イイコでしょ?

ここでも櫻井さんは、私に選ばせる事なんてなくて、ガラスケースの中のネックレスとにらめっこしながら、店員さんの説明を聞いていた。





私はそれを、どこか他人事のように後ろから見ていた。





他の女の子にも、こうやってプレゼントしてたのかな…




こんな風に真剣になって選んで…




その子は、愛されてたのかな。




私は…?







そう思うと、今立ってるピカピカの床が、ボロボロ崩れて深く深く真っ暗な地中深くに落ちてしまって、




ひとりぼっちになっちゃったみたいな感覚に陥ってしまった。















「ちょっとコッチ来い。」





振り返った翔さんの手には、キラキラと輝くネックレスが。





沈みきっていた顔を元に戻し、翔さんの元まで歩く。





クルリと背中を向けられて、翔さんの指先が私の首筋を横に流れて長い髪を掻き分けた。





肌が空気に触れて、少しゾクリとした。





そう感じると共に、私の目の前をゆっくり降りて来る輝く石。





それをぼんやりと眺めていると、翔さんの動きが一瞬、止まったように思えた。





「どうしました?」





「……いや。」





翔さんの態度を不思議に思いながらも、付けてもらった小さな石の付いたネックレスを、目の前の鏡に写してみる。






首元で光る石は、なんだか切なくて。



翔さんの過去を思い悩んだって、どうしようもないのに…






恋に不慣れな私は、胸に小さなジェラシーを残した。