「コレと…コレとコレと…あとコレも。ほら、着てこい。」
敷居が高過ぎて踏み込めなかったセレクトショップ。
翔さんはいとも簡単に私を連れて来てくれた。
煌びやかな服やバッグや靴に囲まれて、場違いにジーパンを履いて来た自分が本当にビンボー人に見えて、すごく恥ずかしくなった。
翔さんをチラリと見ると、雑誌から出てきちゃったみたいなファッションで…
やっぱり自分が翔さんの株を下げてるんだなと、思い知った。
このお店にビンボー人の私に似合う服なんてないよ。
憂鬱顔の私を無視して、翔さんは自分が選んだ服を私に押し付け、試着しろと命令した。
こんなたくさん…
この服、こないだ雑誌でモデルさんが着てるの見たな…
品のある店員さんに連れられて、試着室に足を向かわせながら、そう思った。
・
・
・
「却下。」
・
「フン…」
・
「ダメ。」
・
「服が泣いてる。」
・
「次。」
・
「まぁ…うん。いいんじゃね。」
試着する度に繰り返されるダメ出しに、いちいちため息をつきながら、やっと出たOKサインに嬉しくて思わずガッツポーズをする。
「恥ず…」
と、手で口元を覆いながらボソっと言ったのを薄く聞いて、シュン…とうな垂れる。
似合うよ!とか可愛いね!とか、じゃなくて、いいんじゃね、の一言。
それだけで無意識にガッツポーズ出来ちゃう自分が、虚しい。
試着し疲れて、ソファーにぺたりと座り込んでいると、翔さんは会計を済ませに行ってしまった。
一体いくらするんだろ。
店員さんが服に付いてるタグを取ってくれた時に、チラッと覗いたけど…
目玉が飛び出そうな金額で、直ぐにでも脱ぎたくなった。
・
・
・
このお店…こないだテレビで紹介されてた。
次行くぞ、と強引に連れて来られたお店。
高級ジュエリーショップ。
お店へ入ると直ぐに、女性店員さんが駆け寄って来て、
「いらっしゃいませ、成瀬様。」
と、にっこり笑いながら頭を下げた。
名前…
よく買いに来るの?
ジュエリーショップに?
その瞬間、胸の奥で何かが黒く蠢いた。
・
・
・
敷居が高過ぎて踏み込めなかったセレクトショップ。
翔さんはいとも簡単に私を連れて来てくれた。
煌びやかな服やバッグや靴に囲まれて、場違いにジーパンを履いて来た自分が本当にビンボー人に見えて、すごく恥ずかしくなった。
翔さんをチラリと見ると、雑誌から出てきちゃったみたいなファッションで…
やっぱり自分が翔さんの株を下げてるんだなと、思い知った。
このお店にビンボー人の私に似合う服なんてないよ。
憂鬱顔の私を無視して、翔さんは自分が選んだ服を私に押し付け、試着しろと命令した。
こんなたくさん…
この服、こないだ雑誌でモデルさんが着てるの見たな…
品のある店員さんに連れられて、試着室に足を向かわせながら、そう思った。
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「却下。」
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「フン…」
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「ダメ。」
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「服が泣いてる。」
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「次。」
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「まぁ…うん。いいんじゃね。」
試着する度に繰り返されるダメ出しに、いちいちため息をつきながら、やっと出たOKサインに嬉しくて思わずガッツポーズをする。
「恥ず…」
と、手で口元を覆いながらボソっと言ったのを薄く聞いて、シュン…とうな垂れる。
似合うよ!とか可愛いね!とか、じゃなくて、いいんじゃね、の一言。
それだけで無意識にガッツポーズ出来ちゃう自分が、虚しい。
試着し疲れて、ソファーにぺたりと座り込んでいると、翔さんは会計を済ませに行ってしまった。
一体いくらするんだろ。
店員さんが服に付いてるタグを取ってくれた時に、チラッと覗いたけど…
目玉が飛び出そうな金額で、直ぐにでも脱ぎたくなった。
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このお店…こないだテレビで紹介されてた。
次行くぞ、と強引に連れて来られたお店。
高級ジュエリーショップ。
お店へ入ると直ぐに、女性店員さんが駆け寄って来て、
「いらっしゃいませ、成瀬様。」
と、にっこり笑いながら頭を下げた。
名前…
よく買いに来るの?
ジュエリーショップに?
その瞬間、胸の奥で何かが黒く蠢いた。
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