イイコでしょ?

「おい、行くぞ。」





昼食に昨日のカレーを二人で食べて、お皿の片付けを済ませた頃だった。





一休みしようとソファーに腰を下ろすと、車のキーをぶら下げた翔さんがやって来た。






「行く…ってどこへ?」





「女子力上げて、俺を落としてんだろ?手伝ってやるよ。それにそんな貧乏臭えカッコしてもらったら、俺の株が下がんだろうが。」





「なななななにそれ!!ちょっと酷い!!私Mじゃないんで普通に傷つくんですけど!」





悔しくて勢いよく立ち上がると、思ったより距離が近いのに驚き、一歩後ずさる。





すかさず伸びてきた翔さんの腕が、私の腰に巻き付いて身体をピタリと引き寄せられた。





フワリと鼻の奥を擽る、爽やかな香水の香り。





その香りとは反対に、翔さんの口から出る言葉は、辛くて痛い。






「じゃあ俺だけに従順なドMに育ててやるよ。」






耳元に唇を寄せて、低く囁かれると、私の耳が真っ赤に染まった。





「早く行くぞ。ビンボー人」






あなたの嫁ですけど!っと頭で突っ込むけど、




緩く笑った翔さんの顔がすごく甘くって、ビンボー人呼ばわりされたのに、頬の筋肉はゆるゆるになっている私は、もうすでにMに近付いてるのかも知れない。