イイコでしょ?

「顔、ヨダレ付いてんぞ。」





小声でそっと囁かれてハッとする。



慌てて口元をパジャマの袖で拭っていると、






「ウソだよ、バーカ」





薄く笑って呆然とした私に、チュッとキスをした。






「ちょっとお父さんが…!」






「もう見てねぇよ。」





そう言って口角を上げて笑った。





お父さんに目をやると、すでに背中を向けて、視線は新聞に向けられていた。





ホッと胸を撫で下ろしたと思ったら、翔さんが突然私の身体を引き寄せた。





驚いてキャッ、と短い悲鳴をあげると、それを止めるように唇で塞がれた。





やだ…あっちにお父さん居るのに!





唇を舐めるように舌を動かされながら、背中をツーーッと指先で撫でる。





身体がゾクゾクと中から熱くなる。






こんなとこお父さんに見られたら…





頭ではそう思うんだけど身体は全然言う事をきかなくて、ただただ翔さんの熱いキスに溺れていた。






「お父さんコーヒーでいいですか?」






唇が離れると、何も無かったようにお父さんに呼びかける。





そんな翔さんを目の前に、私は火照った身体でポーッとしながら爽やかに笑う翔さんを見つめる。






「砂糖とミルク多めでね!」






お父さんの、ちょっとお茶目な返答も、私のうるさい鼓動で掻き消された。






「了解です。」






言い終わると同時に、再び私の唇は翔さんの唇によって熱くさせられた。






「ドキドキすんだろ?」






妖艶に微笑んでは、再び朝食作りに手を伸ばした。






し…心臓に悪い。