イイコでしょ?

翌日は土曜日。




私は休みで、でも成瀬さんは休日出勤で朝から仕事へ行った。






今朝もなんだか顔を合わせずらくて。





昨日どこ行ったかも問い詰められなかったし…





カズにぃのとこに居たなんて言ったら、どう思うんだろ。





誰も居なくなったリビングに、掃除機をかけながら頭を悩ます。






カズにぃ…好きだなんて…






昨日のカズにぃを思い出し、胸の奥がチクリと痛んだ。





抱きしめられた感触、まだ残ってる。





首筋にキスされた感触も…






顔がカァーッと熱くなるのを左右に振って紛らわす。





とりあえず今日は、食べるかわかんないけど…





二人分の夕飯の準備しよ。

















午後からは、夕飯を何にするか本やネットで調べまくっていた。





カウンターに座ってパソコンで、成瀬さんが好きそうなメニューを探すけど、




考えてみたら、そんな事全く知らなくて、凹む一方。






一応毎日一緒に居るのに、なんにも知らないや。





ふぅ…と鼻で息を漏らして、パタリとカウンターに突っ伏した。





成瀬さんの血液型は?


趣味は?


好きなテレビは?


利き手は?


どんな音楽が好き?


お風呂入った時最初に洗う場所は?






最後のはアレとして。




何一つわかんない自分に落胆する。





わかんないんじゃなくて…





知ろうとして来なかったのかも。





どうせどうせって考え過ぎてて、そういう努力をしなかったんだ。





そう気付くと、目の前にかかっていた靄が、少し晴れたように思えて。





幸せになりたいって、思ってるだけじゃダメなんだ。





自分から動いて、掴み取らなきゃ幸せなんてやって来ないんだ。






好きになってもらう努力、しなきゃ。