イイコでしょ?

「…んふふ……ふふ…」






頬を何度も撫でる感触に、くすぐったくて瞼をギュッと瞑る。





「美希。」






私の名前を呼ぶ、カズにぃの声でやっと目が覚める。





瞼を開くと優しく微笑んだカズにぃが、ソファーの下でうずくまった私の頬にそっと手を添えていた。






「おはよ。」






「…やだ…寝ちゃってたんだ。ゴメンカズにぃ。今何時?」






「もう7時だけど。」





「どうしよ!もう帰らなきゃ!」





勢いよく起き上がると、側にいたカズにぃの頭とオデコがゴチン!とぶつかった。





「…っ!」





頭をさするカズにぃと、オデコをさする私の視線もぶつかって、二人揃ってブッ、と噴き出した。






「いてぇよ美希~(笑)」





「ゴメン!ってか私もオデコ痛いんだけどね」





「大丈夫か?タンコブ出来てるかも。見せてみ?」





グイと近付いたカズにぃの端正な顔。



大丈夫だよ、とオデコを摩りながら腰を引くとソファーにぶつかった。





「いいから手退けて?」





どんどん近付くカズにぃに、私の心臓がうるさく鳴って、笑顔が作れないくらいに余裕が無くなった。





ぎゅう、っと掴まれた右手をオデコから離される。





_____トクン…トクン…





膝を立てて上から見下ろすようにカズにぃは反対の手で私の前髪を掻き分けた。





オデコ…見てるだけ。





オデコ…見てるだけだよ。






緊張して肩をすくめて瞼をギュッと閉じ、直ぐ目の前に感じるカズにぃを見ないようにした。






「顔真っ赤だけど?」





「やっ!だってそれは…カズにぃが、ちっ近いんだもん」





「緊張してくれてんの?」





ギュゥ…




包み込むように握られた右手は、なぞるように甘く撫でる。






なに…?


この展開。


こんなの…知らない。


こんなカズにぃ知らないよ。






見上げると、今まで見たこともないような顔をしたカズにぃが、ジットリと私を見下ろしていた。





カズにぃの瞳に映る自分を見つける。





なぜだかそのまま視線を外す事が出来ずに、カズにぃの瞳に吸い込まれる。