イイコでしょ?

「ゴメン…何やってんだよアイツ。はぁ。クローゼットにある俺の服、適当に出して着替えてていいから。俺今日早めに切り上げて帰るから待ってて?」





「あの、カズにぃ?私…」






「じゃあな。」






ツー…ツー…ツー…






切れちゃった、電話。






脚に擦り寄るリリを見ると、遊んで?と可愛いくほえる。





小さな身体のクセに出す量は大型犬並みで、私のシャツやスカートは、ソレでグッショリだ。






「リリのせいっ!」





ワンッ♡






ため息をついてから、そろりとパンプスを脱いで部屋へ入った。

















廊下を抜けると10帖程のリビングダイニング。





カズにぃの…部屋だ。





脳がそう認識すると、胸は正直にドキドキと騒ぎ出した。





昔入った実家のカズにぃの部屋とは大分違う。





大分違うけど、ドキドキしちゃうのは変わらないな。






と…とりあえず服、脱いで洗濯させて貰おう。






脱衣所へ行きシャツのボタンに手を掛けていると、洗面の大きな鏡に目が行った。





酷い顔だ。






こんな顔成瀬さんにみせらんない。





腫れた瞼を指で撫でるように触れた。






結婚って…こんな苦しいモノなの?





そう。





ウソで固められた結婚なんて、所詮こんなモノ。





どれだけ私一人が幸せを願ったってどうにもならない。






ブレーキかけてたハズなのに…






成瀬さんに触れられると、あっという間にブレーキなんてぶち壊されて、私の心はユラユラ揺れて溶けてった。






ふざけないで!


責任取ってよ!


成瀬さんの気持ち教えてよ!





そうやって叫んでやれたらどんだけ荷物は軽くなるんだろ。