何も乗ってないおぼんを両手で持ちながら、トイレへ向かった。
なに?今の。
便器にガクンと腰を下ろして、やっと力が抜ける。
力が抜けると言うか、魂まで抜けてしまったようで。
天を仰いでも、複雑に絡まった糸は解けなくて。
抜けた魂までもがため息をついてしまうようだった。
成瀬副社長?
・
・
・
「この人が、僕の結婚したい相手です。」
しっかりと私の目を見てそう言った。
それは確かだ。
そのセリフが、ずっと頭に渦巻いてるから。
逆に言えば、それ以外何も頭に入って来なかった。
結婚?
ちゃんと話した事も無いのに?
わかんないわかんないわかんない…
頭がパンクしそう。
そんな事あるハズ無い!と思いつつも、彼のあの眼差しを思い出してはきゅぅぅ、と胸を締め付けられた。
ダメだ…こんなとこでぼんやりしてる場合じゃない。
仕事もどらなきゃ海崎さんが心配しちゃう。
たくさんの疑問を残したまま、手を洗いトイレを出た。
・
・
・
「なげぇな。ウンコ?」
そんな声が突然聞こえてきて、驚き身体がビクッと跳ね上がる。
壁にもたれ腕を組んだ彼がククッと笑って、目を丸めた私を見下ろす。
「…っ!?副社長…あのさっきの…」
「その事言いに、わざわざウンコ待ちしてやってたんだけど?」
「ウーーー?!しっしてませんよ!!」
「どっちでもいいけどさ。あんた、派遣社員なんだって?」
淡々と言葉を紡ぐ彼が、私のイメージとは違うような…
違和感。
「はい。もう少しで終わりなんですけどね。」
「社員にしてやるよ。」
「えっ?本当ですか?」
突然の昇格に思わず顔がほころぶ、が、次の瞬間笑顔が固まる。
「あぁ。その代わり、俺と結婚しろ。」
「…それはどういう…」
「文字通り。プロポーズしてんの。」
説明するのがめんどくさいのか、イライラした様子で話を進める。
話について行けない私は、ポツンと暗い部屋に置いてけぼりを食らったように、無意味にキョロキョロとした。
なに?今の。
便器にガクンと腰を下ろして、やっと力が抜ける。
力が抜けると言うか、魂まで抜けてしまったようで。
天を仰いでも、複雑に絡まった糸は解けなくて。
抜けた魂までもがため息をついてしまうようだった。
成瀬副社長?
・
・
・
「この人が、僕の結婚したい相手です。」
しっかりと私の目を見てそう言った。
それは確かだ。
そのセリフが、ずっと頭に渦巻いてるから。
逆に言えば、それ以外何も頭に入って来なかった。
結婚?
ちゃんと話した事も無いのに?
わかんないわかんないわかんない…
頭がパンクしそう。
そんな事あるハズ無い!と思いつつも、彼のあの眼差しを思い出してはきゅぅぅ、と胸を締め付けられた。
ダメだ…こんなとこでぼんやりしてる場合じゃない。
仕事もどらなきゃ海崎さんが心配しちゃう。
たくさんの疑問を残したまま、手を洗いトイレを出た。
・
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「なげぇな。ウンコ?」
そんな声が突然聞こえてきて、驚き身体がビクッと跳ね上がる。
壁にもたれ腕を組んだ彼がククッと笑って、目を丸めた私を見下ろす。
「…っ!?副社長…あのさっきの…」
「その事言いに、わざわざウンコ待ちしてやってたんだけど?」
「ウーーー?!しっしてませんよ!!」
「どっちでもいいけどさ。あんた、派遣社員なんだって?」
淡々と言葉を紡ぐ彼が、私のイメージとは違うような…
違和感。
「はい。もう少しで終わりなんですけどね。」
「社員にしてやるよ。」
「えっ?本当ですか?」
突然の昇格に思わず顔がほころぶ、が、次の瞬間笑顔が固まる。
「あぁ。その代わり、俺と結婚しろ。」
「…それはどういう…」
「文字通り。プロポーズしてんの。」
説明するのがめんどくさいのか、イライラした様子で話を進める。
話について行けない私は、ポツンと暗い部屋に置いてけぼりを食らったように、無意味にキョロキョロとした。

